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2015.02.24

既築集合住宅向け燃料電池システムを目指した、次世代SOFCスタックの開発 – 高体積出力密度・低コスト次世代SOFCである「Printed Fuel Cell®」の活用 -

2015年2月24日
FCO Power株式会社

FCO Power株式会社(以下、FCO Power)は、既築集合住宅向け燃料電池システムを目指した、次世代固体酸化物形燃料電池(以下、SOFC(Solid Oxide Fuel Cell))スタックの開発進捗を発表します。本スタックを活用することにより、国内の住宅の約4割を占める既築集合住宅への、2020年からの燃料電池導入が視野に入ります。

1. 背景

燃料電池の中でも、発電効率が高く、幅広い種類の燃料を効率的に活用できることが特徴である、SOFCの普及が期待されています。既に家庭用SOFC燃料電池システムは商品化されていますが、現在の対象市場は、戸建住宅及び一部の新築集合住宅に限定され、日本の住宅の約4割を占める既築集合住宅への設置は困難でした。

 

主な要因は、燃料電池システムの発電部分であるSOFCスタックが大型・高価格であるためです。このような状況下、FCO Powerは、高体積出力密度・低コストを特徴とする独自のSOFCである「Printed Fuel Cell®」を活用し、家庭用700Wシステム向けスタックの厚さがわずか3cmという、既築集合住宅に向けた次世代SOFCスタックを開発しています。

2. Printed Fuel Cell®の特徴

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「Printed Fuel Cell®」(右図)は、セパレータを含めた単セル(燃料極・電解質・空気極・セパレータ)を、焼成前に何層も積層し、スタックとして1回で一体焼結した次世代SOFCです。

従来のSOFCセルと異なり、機械的強度を維持するための支持体が不要で、セパレータを含む単セルの厚さは、既存製品の約10の1のわずか0.4 mmです。その薄さを活かし、世界最高レベルのスタック体積出力密度5 kW/Lを実現しています。

また、シンプルな薄膜構造のため、必要部材量・必要部品点数が少なく、かつ積層セラミックコンデンサの生産技術を応用した自動化量産に適しています。そのため、NEDOのロードマップ*で2020-2030年に目標としているスタック価格5万円/kWを、大幅に下回る低コスト化が可能です。

3. 次世代SOFCスタックの特徴

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この「Printed Fuel Cell®」の特徴を活かして開発中の家庭用700 Wシステム向けスタック(右図)は、70 Wのスタックを複数組み合わせ、厚さがわずか3 cmというコンパクト化を実現しました。

この金属を用いない全てセラミックスのスタックは、独自のスタック冷却構造を導入することにより、各層の薄さを維持した上で、スタック全体の温度分布を均一化させることが可能です。その結果、断熱材を含めたホットモジュールの容量を、既存品の1/4以下にすることが可能です。

4. 次世代SOFCスタックを活用した燃料電池システム

この次世代SOFCスタックを活用することによって、ホットモジュールも薄くコンパクトになり、壁掛け用やベランダ設置用を含めた、既築集合住宅向け燃料電池システムの開発を視野に入れることができます。FCO Powerは、この「高体積出力密度」、「低コスト」の次世代SOFCスタックを活かし、パートナー企業との連携を踏まえて、東京オリンピックが開催される2020年の実用化を目指します。

本次世代SOFCスタックを活用し、戸建住宅及び新築の集合住宅だけでなく、既築の集合住宅にまで燃料電池の対象市場を拡大することによって、燃料電池の普及を促進し、家庭部門の更なる省エネ、及びCO2削減に貢献することを目指します。

なお、この次世代SOFCスタックは、平成27年2月25日~27日に、東京ビッグサイトで開催される「第11回国際水素・燃料電池展」の中で展示されます。また、本研究開発の一部は、NEDOの支援事業の一環として実施されたものです。

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